Raspberry Pi 4でおうちk8s構築(metalLB編)

raspberry Pi 4でおうちk8sを構築した記録その3です。

k8sクラスタ

前回まででk8sクラスタを作ることができました。しかし、このままではクラスタ外からなにも見えません。これでは意味がありませんので、外部から見れるようにします。簡単な方法としてnodePortがありますが、いまいちスマートではありません。本当なら、クラウドサービスで利用できるようなロードバランサによるipのアタッチを行いたいところです。そこで、今回は、MetalLBというものをつかって、簡易的にローカルipの自動割り当てを行えるようにしたいと思います。 シリーズリンク

材料

  • k8sクラスタ
  • 利用するローカルip範囲
  • metalLB

導入

公式のドキュメントをみながら導入します。

ipvsを利用するので、事前にカーネルモジュールがあるか確認します。そして、起動時にロードするように設定します。必要なのは次の五つです。これは、クラスタのすべてのノードに行います。

  • ip_vs
  • ip_vs_rr
  • ip_vs_wrr
  • ip_vs_sh
  • nf_conntrack
sudo lsmod | grep ip_vs
sudo lsmod | grep nf_conntrack
cat <<EOF | sudo tee /etc/modules-load.d/ipvs.conf
ip_vs
ip_vs_rr
ip_vs_wrr
ip_vs_sh
nf_conntrack
EOF

クラスタはkubeadmで作成したので、その設定ファイルを書き換えます。

kubectl get configmap kube-proxy -n kube-system -o yaml | \
sed -e "s/strictARP: false/strictARP: true/" | \
sed -e "s/mode: \"\"/mode: ipvs/" | \
kubectl diff -f - -n kube-system

差分を確認します。modeがipvsになっている。strictARPが有効になっている。を確認します。

設定ファイルは以下で確認できるので見ながら環境に合わせます。

kubectl edit configmap -n kube-system kube-proxy

問題がなさそうであればapplyします。

kubectl get configmap kube-proxy -n kube-system -o yaml | \
sed -e "s/strictARP: false/strictARP: true/" | \
sed -e "s/mode: \"\"/mode: ipvs/" | \
kubectl apply -f - -n kube-system

なんかwarnが出ました。The missing annotation will be patched automatically.とあるのできっと大丈夫でしょう。一応したところ、kubectl.kubernetes.io/last-applied-configurationが追加されていました。きっと問題ないのでしょう。

Warning: resource configmaps/kube-proxy is missing the kubectl.kubernetes.io/last-applied-configuration annotation which is required by kubectl apply. kubectl apply should only be used on resources created declaratively by either kubectl create --save-config or kubectl apply. The missing annotation will be patched automatically.
configmap/kube-proxy configured

MetalLBを入れます。0.9.6が最新でした。

kubectl apply -f https://raw.githubusercontent.com/metallb/metallb/v0.9.6/manifests/namespace.yaml
kubectl apply -f https://raw.githubusercontent.com/metallb/metallb/v0.9.6/manifests/metallb.yaml
# On first install only
kubectl create secret generic -n metallb-system memberlist --from-literal=secretkey="$(openssl rand -base64 128)"

動作確認。

kubectl get pods -n metallb-system
kubectl get daemonsets -n metallb-system
kubectl get deploy -n metallb-system

いいかんじにrunningでした。

起動しただけでは何の役にも立たないので、configMapを入れます。BGPルータなどという高尚なものはないので、L2モードで動かします。今回、ip範囲は2.50から2.99にしました。

cat <<EOF | tee metallb-config.yaml
apiVersion: v1
kind: ConfigMap
metadata:
  namespace: metallb-system
  name: config
data:
  config: |
    address-pools:
    - name: default
      protocol: layer2
      addresses:
      - 192.168.2.50-192.168.2.99
EOF

applyします。

kubectl apply -f metallb-config.yaml

動作確認をします。

cat <<EOF | tee nginx.yaml
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  labels:
    app: nginx-metallb
  name: nginx-metallb
spec:
  selector:
    matchLabels:
      app: nginx-metallb
  template:
    metadata:
      labels:
        app: nginx-metallb
    spec:
      containers:
      - image: nginx
        name: nginx-metallb
        ports:
        - containerPort: 80
---
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
  name: nginx-metallb
spec:
  type: LoadBalancer
  selector:
    app: nginx-metallb
  ports:
    - name: http
      port: 80
      targetPort: 80
EOF
kubectl apply -f nginx.yaml

get podsでnginxがrunningになったら、serviceを確認します。

kubectl get svc nginx-metallb

NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE

nginx-metallb LoadBalancer 10.98.89.91 192.168.2.50 80:30536/TCP 55s

良さそうです。192.168.2.50が割り当てられました。

nginx-web

無事ブラウザからも見れました。今回はここまでです。ありがとうございました。

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